こんにちは、しげるです。
11月に入り、今年もあと2カ月余りとなりました。
月並みな言葉ですが、「一年って本当に早いですね~!」
私の住んでいるここ中国広東省の汕頭市では、10月に入ってからは徐々に涼しさも増して、昼はまだ少し暑いと感じる事もありますが、朝方や夜などは、ちょっと寒いかな?くらいまで感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしですか?
数カ月前のあのとろけるよう暑さ、部屋ではエアコンかけまくり、電気代上がりまくりの数カ月前の「地球温暖化のたたりじゃ~!」と感じさせる暑い夏はなんだったのか、と思いますよね。
電気代で思い出したのですが、中国の我が家の家計の中で毎月発生する「水道光熱費」。毎月しっかり請求書が来て、しっかり払っています。(お金が羽をはやして飛んで行く~)
我が家の場合、この水道光熱費の中で一番高いのがダントツで「電気代」です。
ちょっと気になり、中国のアプリ「支付宝」で今年2022年1月-10月の我が家の電気代の支払い状況を見たらこんな感じでした。
本題に入る前に、我が家の今年10カ月の「電気代」を
大公開いたします!
人民元で支払いをしていますが、参考までに日本円換算額(1元=20円)も示します。
1月 | 191.18元 (3,824円) |
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2月 | 563.73元 (11,275円) |
3月 | 752.98元 (15,060円) |
4月 | 258.31元 (5,166円) |
5月 | 284.27元 (5,685円) |
6月 | 432.17元 (8,643円) |
7月 | 663.41元 (13,268円) |
8月 | 1,329.04元 (26,581円) |
9月 | 1,108.74元 (22,175円) |
10月 | 725.33元 (14,507円) |
合計 | 6,309.16元 (126,183円) |
月平均 | 630.92元(12,618円) |
こうやって見ると、月によってばらつきが激しいのが分かります。(-_-;)
2月と3月が少し高いのは電熱ヒーターとエアコンで暖房を掛けているという事と、7月~10月まで高いのは冷房のエアコンを長時間かけている事。特に夜などは暑くてエアコンが無いと眠れません。なのですが、もう一つの理由は、息子が大学の冬休みと夏休みで大学の寮生活から我が家に戻って来て、一緒に生活するのでその分が上乗せになっているんです。
特に、8月と9月の電気料金が1000元を上回っているのは財布に痛いです(-_-;)。
ちなみに、妻は寒がりなので、夏でもほぼエアコンなしで平気です。 (-_-;)
息子と娘は、私と同じで暑がりなタイプ。(エアコン大好き人間たちです)(*^▽^*)
本当に、暑くても寒くてもお金が出てゆきますよね。
という訳で、本日の本題なのですが、電気代と同じくらい身近な話題。
中国でふだん私たちが生活するうえで欠かせない、「日常の食料品や日用品の購入」。その値段もいろいろで高いな!と感じるものもあれば、これは普通だな、でもこれはけっこう安いな!と感じるものもありさまざまです。最近中国の物価も最近上がってますしね~。色々と割高になってきてますよね~。(中国にいると分かります)
でも、いったいこの「値段」ってどうやって決められているのか、と思ったことはありませんか?
そう、スーパーに行って商品についているあの「値段」の事です。
当然、なんとなく適当に付けられているのではありません。きちんとした根拠があります。でも、そんなの詳しく分からないよなーと思っているそこのあなた!
今日はちょっとだけ「値段の秘密」を公開しちゃいますよ。
- モノの製造原価について
- 中国のモノの物流について
- 中国のモノの利益について
- 表面には出てこない値段のカラクリ
まず、モノの製造原価について
モノを作る時にはタダじゃできません。コストがかかります。つまり「製造原価」ですね。
スーパーに売っているあの美味しいお菓子も、あのテスラのEV自動車も作るのにも、作る為に必要な材料をまず用意して、機械を使いながら加工して、モノを作る人間の手を加えて、光熱費とかも使いながら作ります。また、モノを作る為には機械とか作る為の場所、つまり工場も必要になり、その工場の建設費とか借りるならリース料なんかも必要になってきますよね。
そういう作る為に必要なモノを全部ひっくるめて「製造原価」といいますね。
下に書いた表のような感じです。
(今日は算数のお時間ですか?いえ!中国の社会勉強です!自虐ツッコミ)
例えば、上の表のように、ドーナツ屋さんがお店でドーナツを1個作るのに「10元」の製造原価がかかるとします。
- 製造原価はただ単にドーナツを作る為に必要なお金です。
- ドーナツ屋さんの儲け=利益はまだ含んでいません。
- 製造原価でそのまま売ったら利益が無いので全く儲かりません。
なので、ドーナツ屋さんは儲けたいので、「利益」を乗せます。
いくら乗せるかはドーナツ屋さん次第ですが、ここでは仮に利益を「3元」乗せるとしましょう。(もっと儲けていもよいが、値段が高すぎると売れなくなります)
- 本来は、この利益からお店の運営に必要なもろもろの費用=経費を引いた残りの利益が本当の利益=純利益になります。でも、ここでは難しくなるので省きます!
次に、商品の流れについて
はい、一所懸命作った美味しいドーナツが完成しました!
値段も、製造原価10元+利益3元=13元で売る事を決めました。
その後どうするか?
そうです、「販売」しますね。(タダじゃないよ!)
でも、誰に売る?どうやって売る? (どうする?どうする?)
答えはこれです。
- 方法①:お店で買いに来るお客さんにそのまま売る
- 方法②:問屋さんに売り、その問屋さんがスーパーに売る
ここでは、方法②の「ドーナツ屋さんが問屋さんに売り、その問屋さんがスーパーに売る」例を説明します。
といいますのも、一般には「問屋さん」へ売る手段を取るのはドーナツ屋さんというよりドーナツ工場ですね。その理由は、お店では作る量が少なく問屋さんやスーパーに売るほど大量に作れないからです。でも工場なら、大量の原料と大きな設備、そして働く社員が沢山いて一定の時間内で効率よく沢山作れるのです。そうすると、中国全土のスーパーに大量に売る事が出来るのです。
上記の商品の一連の流れの事を「商流」といいますが、見やすく示すと下のような感じになります。
お客様は最終的にモノを買って下さる「神様」ですので、一番上に書いています。
スーパーやコンビニへ売られる中国の商品の商流はほぼ日本と同じだと思います。
- メーカーの事を中国語で、厂家(ちゃんじゃー)
- 卸業者の事を中国語で、经销商(じゃんしゃおしゃん)
- 小売業者の事を中国語で、零售商(りんしょうさん)
- ちなみに、スーパーマーケットは中国語で、超市(つぁおすー)
- さらに、コンビニは中国語で、便利店(びぇんりーでぃえん)
- 卸業者(問屋さん)は1次店と2次店があります。通常大手のスーパーに売る場合は1次店から直接スーパーの配送センターに納品されます。
- 大手スーパー以外の地方の小さなスーパーなどへは1次店が2次店に売り、2次店からそのような地方の小さなスーパーに販売されます。
ただ、メーカーによっては、卸業者を通さずに、自分でトラックなどの配送手配をして、直接スーパーやコンビニの配送センターに届ける場合もあります。
- メリット①:卸業者が取る利益をメーカーの利益にする事が出来る
- メリット②:スーパーやコンビニと強い関係を持つ事が出来る。
- デメリット①:受注や配送が煩雑となり、トラック代も重くのしかかる。
- デメリット②:スーパーやコンビニとの契約書の締結が煩雑となる。
というような感じで、商品は流れてゆくのです。
卸業者と末端のお店の利益について
それでは、中国のモノの基本的な流れは上で書いた通りですが、これら一連の流れは全て「商売」。なので、メーカー、卸業者(問屋さん)、小売業者(スーパーやコンビニ)も会社として「利益」を求めます。
私の中国での本業の実体験から、各会社が取るおおよその利益を纏めてみました。
メーカー、卸業者(問屋さん)、小売業者(スーパーやコンビニ)も会社として取る「利益」は様々です。それは商品にもよるし、各会社にもよります。
上に示した商品の値段表の計算方法ですが、中国の商売独特の計算方法があります。
メーカー販売価格 | 13元(原価10元+利益3元)=3元÷13元/利益率23%) |
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卸業者販売価格 | 13元仕入値÷0.80(20%の利益の場合)=16.25元 |
スーパー/コンビニ販売価格 | 16.25元仕入値÷0.80(20%利益の場合)=20.31元 |
末端販売価格(売価) | ドーナツ1個当たり20元前後(スーパーの場合) |
「利益計算に関するちょっと独特な計算方法」とは、
例えば、利益20%の乗せたい場合、
13元X1.2(20%)=15.60元ではなく
13元÷0.8(20%)=16.25元という風に計算します。
こうしてお分かりになる通り、ずいぶんと値段って上がってしまうものですよね。
もう、工場出荷価格で買いたくなる気持ちになります。
お客さんを呼ぶため、特売セールをやる
でも、私たちがスーパーに行って買い物をすると、いろんな商品が通常よりも少し安く、或いはめちゃくちゃ安く売っている場合がありますよね。
スーパーなどは、多くのお客さんに買ってもらって初めて経営が成り立つので、集客をしなければなりません。その時に「セール」をやるんです。
ただ、長期に亘りセールは出来ませんので、定期的に、或いは、スーパーの「創業祭」とか「クリスマスセール」とか「年末年始セール」とかセールをやるための名目を作り、チラシやネット、ウィチャット等で広告をして多くのお客さんを集め売上を伸ばす努力をします。
もちろん、普段から買いに来るお客さんを増やすため、スーパーなどはあの手この手で集客をするんですが、中国でもよく使われるのが次の方法です。
- 「会員」になってもらい、通常の販売価格より優遇された価格で購入させる方法。
- 「会員」になると、例えば3%引きとか5%引きで買える。1個からでも買える。
- 「会員」になると、ポイントが貯められる。あとで商品などと交換できる。
- 「会員」には有料と無料の区別がある。「コストコ」などは有料会員制である。
ですので、中国で買い物するなら、お気に入りのスーパーに行って、是非会員登録をして、お得に買い物をすることをおすすめします。
コンビニなどは、近くにあり、ちょい買いには便利ですが、利益重視のため、割高ですし、特定商品以外はあまりセールをやりませんので、普段買いするならスーパーがよいでしょう。
でもですね、そういう特売セールで値段を下げて売る場合、ほとんどの費用はモノを作る「メーカー」が出すんですよね。だから、メーカーもそういう費用込みの値段で売らないと思わぬ損をするんです。一般的な力関係では、小売業の方が卸やメーカーより「上」、というスタンスなんです。
表面には出てこない、価格のカラクリがある
最後のテーマになりますが、商品の価格の表面には出てこない流通上の取引があります。
それは、「卸業者と小売業者との間で交わされる取引契約書」の事です。
中国語で言うと「合同」(はうーとん)ですね。(「は」と「う」の間。発音が難しい)
この契約書には卸業者が小売業者に対し支払う様々な費用や条件が書かれており、これらの費用や条件が卸業者が小売業者に売る価格に含まれてしまうんです。
- 契約書には、例えば、「販売奨励金」「協賛費」「返品費」などが含まれます。
- 流通食品などの契約書は一般的には、数パーセント~10数パーセントです。
しかもその取引契約書は基本的に1年に1回契約更新されて、しかも年々条件が厳しくなるという卸業者にとって頭が痛いものなんです。
商品の値段が高くなりすぎても売れないし、安売りすれば赤字になるし、競争相手は沢山いるし、近年中国は不景気だし、少しずつ少子高齢化になりつつあるし、ネット販売にリアル店舗の販売が持っていかれるし、お客様はいつも目新しいものやコスパの良いもの、美味しいもの、安心できるものを求めているし、商売を続けるのは本当に大変です。
まとめ
今回の記事では、中国で売られている商品の値段の決められ方、という視点で掘り下げてみました。
流通システムは日本も中国も基本同じだと思いますが、商習慣など違う点も多くあると思いますので、あくまでも私が中国の生活の中で知りえた実情として読んで頂ければと思います。また、メーカー、卸業者、小売業者の利益率などは刻々と変わりますので、あくまでも参考として見て頂ければと思います。
こういうことを知ると、普段買い物をしているモノの値段には「こんなに利益が上乗せされているのか~」と思うと思いますが、それによってあなたの手にお好みの商品が亘り、好きなものが手に入るわけなので、大目に見てやってください(笑)。
あと、中国には面白い言葉がありますので、それを紹介して終わりにします。
一分銭一分貨 = 一分のお金に対して一分の商品
1分(ぶ)とは、中国人民元の通貨の単位で0.01元のことです。
つまり、モノの価値とは、価格相応、という事ですね。
今日もここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。
それじゃ、またお会いしましょう!
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