こんにちは、しげるです。
このブログを書いている今日は10月1日。
ここ中国では10月1日という日は中華人民共和国という国が誕生した日と制定されています。
そうなんです。きょう10月1日は「国慶節」なのです。
今年は「中華人民共和国設立第73回目の国慶節」となります。
そして何より報告したいのは、
今日から7連休なんです!!(*^▽^*)
ヤッホーです!(心の中から両手両足挙げての大喝采!)
でもこれ、国の規定で正式な連休となっているんですよ。
スクリーンショット引用元:百度
正確には、10月1日~3日までが国慶節の祭日で、1日と2日が土日になってるのでその分振替で4日と5日を休み、更に8日と9日は土日ですが、それを前倒しして6日と7日にくっつけえてしまって「7連休」としているわけです。
ですので、10月8日(土)と9日(日)は出勤となります。(でも土日だから休みたい)
つまり、散らばっている休みを寄せ集めて1週間の連休にしてしまっているわけです。
要は、みんなゆっくり休みたいからね~。
中国の大型連休は春節と国慶節くらいしかないので、大事に有意義に過ごしたいですよね。
去年の国慶節は私しげるはブログとは完全に無縁で、ブログを立ち上げて自分で書こうなどという考えや知識はゼロで、ただ毎日普通に過ごしていただけでしたが、今年は縁あって5月からブロガーとなったので、あなたに楽しく読んで頂くためのブログを書いている自分がいて、今までと違う自分がいます。いつも読んで頂いて有難うございます!モチベ高く持って私自身も楽しみながらいろんな中国情報発信してゆきますね!
というわけで、今日のテーマは、「中国長期在住者が見た 日本と中国の本当の違い(仕事編)」であります。以前、このテーマで「生活編」を書きましたが、その続編を書いてみました。私の知っている範囲での記事ですが、お役に立てれば嬉しいです。
- 日本と中国の仕事の上での違い
- 中国の労働法規と注意点
- 筆者が実際の職場で感じる習慣の違い
- 違いを受け入れることで見える中国の世界
さあ一緒に見てみましょう!
仕事の制度上の違い
労働契約は1年ごと、10年以上勤務は無期限労働契約になる
中国では、会社とそこで働く社員は<中華人民共和国労働合同法>により、1年ごとに労働契約を結びます。
この法律の管轄部門は、契約を結ぶ当地の、<人力資源与社会保障局>というお堅い感じのするお役所が管轄しています。
一般的にその労働契約書は中国語のテンプレートがあって、そこに会社と社員のそれぞれの権利や義務、給与や各種手当の金額などを空欄に書き込むことが出来るようになっています。
もしテンプレートの内容以外に付け加える事があれば、その後ろの方に補充条件を加える事が出来ます。例えば、営業職の場合、職務の具体内容とか歩合給の内容などについてですね。
労働契約はあくまでも会社と社員の意見が一致していることが条件です。
又、勤務年数10年以上になる社員は、会社と「無期限労働契約」を結べる権利があります。私の勤める中国の会社にもこの「無期限労働契約」を結んでいる社員がいます。つまり、会社も社員もお互いに必要と認識している場合はいちいち1年ごとではなく、無期限にしてしまう訳です。中国の場合、一般的に一つの会社で10年以上働く社員って長い方だと思います。中には、会社立ち上げから24年間働いている社員もいますよ。
画像引用元:O−DAN
労働契約書を正式に結ぶ前に、1か月~3カ月の試用期間を設けてから採用する事が良くあります。試用期間の’設定の有無や期間は会社が独自に決める事が出来ます。一般社員の場合は試用期間が1カ月、重要なポジションの場合は2カ月~3カ月の設定をすることがあります。要はその社員の観察期間という事ですね。
中国の定年は男性が満60歳、女性が満50歳と55歳の2種類である
中国の定年も法律で決められています。
中国語で定年の事は「退休(とぅい しゅう)」と言います。
《国务院关于安置老弱病残干部的暂行办法》和《国务院关于工人退休、退职的暂行办法》という難しい名前の法律できちんと定められています。
- 男性の定年:満60歳
- 女性の定年:満50歳(女性一般社員の場合)
- 女性の定年:満55歳(女性幹部社員の場合)
中国の女性と男性の定年年齢が違うのには私も驚きました!
中国もおそらく昔と今では生活レベルや人間の寿命も違うと思いますが、私が見るに、女性の定年が50歳或いは55歳というのはまだ若いと思います。
廻りを見てて感じるのは、元気な女性は非常に多い!
というのも、私の働いているここ中国にある日系企業では、私と同い年の女性社員が3人いて、そのうちの一人が先月8月下旬に体調を理由に退職してますが、あと2人はいま57歳になりますが元気に働いています。私と一緒に北京に出張に行ってバリバリ営業までしてるんです。
「あれ?女性の定年って長くて55歳までじゃないの?」
と思いますよね。
実は、法律では幹部社員で55歳までと決められていますが、企業と社員がお互い同意すれば、継続して働くことは出来るんです。
それは、日本の「再雇用」とは違い、全くの正社員としての労働契約が継続する事を意味し、55歳を過ぎても給料は全く変わらず、減ることなく、年に1回のボーナスも正社員なので貰えて働く事が出来ます。
再度言いますが、あくまでも、企業と社員のそれぞれが納得し同意した場合になりますね。
中国は女性の社会進出とポジションはかなり高いです。
男性よりも女性の方が真面目で一生懸命働くからです。(私個人の見解です!)
ところで、かくいう私しげるはいま58歳、あと2年で日本も中国も定年に達します。その後どうなるか?会社が私をどう見るか?その時私はどう考えるか?続けるならどういう労働契約なのか?給与は日本から?それとも中国から?いまはまだどうなるか完全に未知です。いまは目の前の仕事をブログと同じようにコツコツと継続してゆくだけです。2年後もブログを続けられるように、その時の自分がどうなっているかあなたにまたご報告できるように頑張ります。
年金は15年以上勤務の場合支給される
中国にも年金制度はあります。
中国の場合、年金とは言わず「養老金」といいますが、15年間働いて社会保険金を支払い続けると、養老金を貰える権利が生まれます。日本のように2カ月ごとではなく、毎月15日に支給されるようです。貰える金額は勤務年数や支払い金額によって様々です。
ですので、養老金を貰える権利が得らると、定年の年齢に達してから貰えるようになります。私の勤める会社では55歳を過ぎて働いていて養老金を貰いながら働いている人もいます。
そういう社員の数は少ないですけどね。
社員が求職し入社を決めるポイントの一つに、その会社にしっかり社会医療保険制度があるかどうかという事があります。面接するとしっかり皆さん聞いてきます。
日本人も、養老保険を掛ける事が出来ます。
私自身も、日本人ながら、中国の社会保険、医療保険のどちらも掛けてます。ですが、私が掛けだしたのは2016年からですので、現在、累計6年目。でも、この先9年も働くことは無いので、その場合は、退職した時点で掛けた社会保険料は戻されると聞いています。
省・都市ごとに最低給与基準と時給基準が決められている
中国では、全国一律ではなく、各省或いは都市ごとに最低給与基準と最低時給基準が決まっています。この基準を決めているのは国のお役所の、中華人民共和国人力資源和社会保障部というところです。
スクリーンショット引用元:百度
上記の表は2022年4月現在の中国全国各省並びに都市の最低給与基準と最低時給基準の表です。
上記のスクリーンショットの表は一部しか表記されていませんので、しっかりと見てみたい方は中国の検索エンジン「百度」でご覧くださいね。(2022年 中国最低工资表 とかで検索すると出てきます)
サクッと見てみると、最低給与基準が一番高いのははやり「上海」(2590元/月)となっています。さすが中国最大の国際都市ですよね!給与も高いけど物価も高いところです。
それでは、「省」の最低給与基準を見てみましょう。
例えば、私の住む「広東省」の場合、よく見てみると、「第1档から第4档」まで4段階の基準がありますよね。
これは都市によって人口や経済力が違うので、言い換えれば、「1級都市から4級都市」の4段階の基準がある、という事です。
広東省 1級都市 | 最低給与 2,300元/月 |
---|---|
広東省 2級都市 | 最低給与 1,900元/月 |
広東省 3級都市 | 最低給与 1,720元/月 |
広東省 4級都市 | 最低給与 1,620元/月 |
私の住む広東省の汕頭市は3級都市に該当します(中国にとっては小さい都市なんです)。
よって最低給与基準が1,720元/月という事になります。
なので、基本給が1,720元/月に達していなければならないのです。
このように最低給与基準が省や都市ごとに国で決められてはいますが、実際、この給与レベルで働く人はいないです。中国の物価は年々上昇していますし、庶民の生活も大変です。家族がいて、子供もいると尚大変。少しでも高い給与を貰える会社を探します。それに対し、社員を雇う各企業は、最低給与をカバーするのはもちろん、実際は当地の他社の給与を参考にして、競争力のある給与を出し少しでも優秀な人材を集めようとする人員争奪戦となっているのです。
一番高い給料を求めて、上海に行ったとしても、高い給料は貰えるかもしれませんが、アパートの家賃だけで最低でも月3000元かかるような物価の高いところなので、いい生活が出来る保証はありません。でも稼げる可能性もあるのも事実。その人の実力ですね。
ですので、最低給与基準をみて働く場所を決めるのはナンセンスです。皆、それぞれの場所の経済や物価レベルを基準にして決められているんですよね。
画像引用元:O−DAN
平日の残業、休日出勤、祭日出勤で給与は割増しとなる
「残業」、「休日出勤」、いやな言葉ですよねー。(少なくとも私は)
日本も残業や休日出勤の時の給料割増しは国で決められていると思いますが、中国でもしっかり割増しになっています。サクッとこんな感じです。
平日の残業 | 基準給与X150%(つまり1.5倍) |
---|---|
法定休日出勤 | 基準給与X200%(つまり2.0倍) |
法定祭日出勤 | 基準給与X300%(つまり3.0倍) |
私が働いている中国の会社の場合、平日とは月曜−金曜なので、この日に勤務時間を超えると30分単位で50%割り増し給与となります。(社員であって私ではありません)
法定休日出勤とは、いわゆる土日ですね。土日に出勤すると2倍となります。
法定祭日出勤とは、春節や国慶節などの中国が国として定めた休みの日で、この日に出勤した場合は3倍となります。
ですので、土日や祭日に出勤するのを好み喜ぶ社員は少なくありません。同じ労働時間でその日の給料が2倍~3倍になるんですからね。
故意に出勤したりする社員を会社として許すのはご法度ですが、やむを得ず業務上出勤する場合は致し方ありませんよね。その場合、社員は喜びます。でも、会社側はよく考えて休日出勤と祭日出勤を認める判断をしなければなりません。あとで大きく「人件費」に響いてきます。管理者の方々、くれぐれもご注意を。
人材募集ネットは顔写真がないものが多い
企業にとっても、就活をする人にとっても欠かせないツール。それはネット人材募集。ここ中国でも様々な人材募集ネットや人材紹介ネットが溢れています。
有料のサービスもあれば、無料のサービスもあります。どちらがいいとは言えません。募集する人材の内容にもよりますね。
ですが、応募者の中にははじめから顔写真を貼っていない人も比較的多い。(-_-;)
それは、情報の漏洩も心配されるネット情報に、個人情報をあまり載せたくない、との気持ちからですね。
仕事を探す人は、人材募集ネット企業に申し込んで、氏名、年齢、性別、住所、身分証明番号、学歴、職歴、その他必要な内容を入力し、応募するわけですが、それだけでもかなりの個人情報なので詳しく書く人もいればざっくりしか書いていない人もいます。
顔写真を問題なく貼る人もいますが、採用も決まっていない会社に自分の顔をさらすのを嫌う人も一定数存在します。悪用された困るとか、いろんな不安ですね。その場合、面接が決まってから始めてその会社宛に提出する履歴書に顔写真を貼る事となります。
会社からすれば初めから顔写真がない応募に一抹の不安を覚えるのは確かです。私も会社の管理職なので、そういう人材の場合は、面接決定後の履歴書にしっかり貼ってくれれば問題ありませんが、それでも貼るのを拒む人の場合は、はじめから面接をしません。
仕事の習慣上の違い
希望給与は遠慮なく要求してくる
中国では、新規の社員面接時でも、社員が入社してからも、どんなベテラン社員でも、ことあるごとに社員たちは会社に対し希望給与や給与アップについて堂々と言ってきます。
給与アップの希望理由として多いのはこれ。
- 家に家族がいて、子供もいる、粉ミルクも高い。生活が大変なんです。
- 物価が上がっている。肉や野菜もすごく高い。今の給料じゃやっていけない。
- あそこの日系企業で働いている友人が沢山給料をもらっていますよ。
- こういう職種ならこのくらいの給料レベルが普通ですよ。
- うちの他の社員と給料の情報交換をしましたよ。私にもっとください。
というような感じ。
これに対して私のような管理者からの答えとしてはこれ。
- 家族がいるとか、子供がいるとか、大変だとか、あなただけの問題ではないです。
- 物価はいつも変動するものです。肉や野菜、ガソリンとかも。
- 他社とうちでは会社の規模が違う。それに給料だけでなく労働環境も見るように。
- あなたは会社にどのくらい貢献していますか?会社として出せるのはこれだけ。
- 部門と役職で貰える給料は異なる。あなたより高いのはそれが違うだけだ。
こんな風に切り返します。
それでも社員が食いついてくる場合の対抗キーワードはこれ。
それでは、あなたの要望は日本の社長に報告します。社長の判断が最終結論です。
ここまで言うと、鼻息荒くしていた社員も収まります。
その結果がイエスであれノーであれ最終結論です。これで大体は収まります。
トップの結論なら仕方がない。そういう判断です。
これですぐ辞める社員はほとんどいません。年齢、経験とか転職も簡単ではないですから。
リーダーへの服従精神は意外に強い
私は、中国に来てずっと日本人管理者として働いていますが、いろんな仕事をミックスしてやっているんです。
仕事の一番のメインは営業ですが、それ以外に、財務や総務、商品開発の一部にも携わっていていろんな事を毎日やらなくてはなりません。各部門で発生する案件とか課題、それを纏めて、問題に道筋を立てて、判断と回答を出し、解決して、前進させる役目ですね。
当然一番は、営業として注文を取り、売り上げを伸ばし、利益を上げる事が任務です。
時に社員同士の揉め事も強制的に抑える「重石」みたいな役目もします。(-_-;)
ですので、社員たちは私を常に管理者と見ているので、私の事を「〇〇总」(総の簡略字)と呼んでいます。「総」と名の付くのは中国の場合、会社の上層部門の人の役職名で、例えば、総経理(社長)、副総経理(副社長)とかです。私はそのどちらでもありませんが、敬意を表してくれてると思います。
私が感じるに、中国の社員たちは会社の上司の言葉や指示が絶対であり、最終結論を出す立場の人であり、「服従の精神」はあると見てます。でも、私自身も結果を出しつつ、いろんな案件や課題にテキパキと答えを出すことを常にしていかないと、優柔不断な頼りない上司となってしまい、求心力は衰えてゆきます。そのモチベを継続するだけで大変です。
でも、その司令塔である自分が指示を出しみんなが動いて結果を出してくれるのを見ると、中国って皆頑張るな~、と感じるのです。
画像引用元:O−DAN
定時になったらピタッと帰る社員が多い
中国ではダラダラと残業はしません。
定時になったら一般社員でもどんな幹部でもほとんどピタッと帰ります。
私が働いている中国の会社の勤務時間は朝8:30−夕方5:30。(昼1時間休憩)
私が日本の本社勤務時代に見ていた、夕方5時定時なのに、7時、8時までほとんどの社員がずっと働いている状態をみていたので、最初は中国に来て違和感を覚えましたが、いまは、就業時間内に仕事を集中して行い、結果を出し、定時になったらピタッと終わる方が仕事の効率が良いと感じています。
分かり易く言うと、
よーいドン!で100メートルダッシュで駆け抜ける!
そんな感じですね。1日ヘトヘトになるが、終わるとスカッとして充実感がある。
ですので、私もそれに準じています。(*^▽^*)
基本、私服で仕事をする
地域性はあるかもしれませんが、中国では私服で仕事をする会社が多いかもしれません。
当然、会社によって、或いは工場によって「制服」や「作業服」はありますし、その着用を会社の規定としているところもたくさんあります。また、銀行やホテルなどのサービス業も基本制服ですね。税関とか食品関連の監督局のような方々は制服を着ています。
でも、私も営業で中国各地のいろんな取引先を訪問してきましたが、総経理や部長、課長、社員までも普通の私服で仕事をしているところなんて山ほどあります。市政府のお役所さんの方も私服の方が多いですね。
ですので、ポロシャツ着てジーンズ履いて運動靴を履いている人が実は董事長や総経理だった!なんてことはザラにあります(笑)。
中国では役職の高い方が私服を着て仕事をしている場合もあるので、あなどらないように注意しましょう。
新年には会社の入口に対聯とみかん付樹木を飾る
中国は春節(旧正月)になると、お祝いの意味を込めて、会社の入口とかに飾りをします。
一般的に多いのは、「対聯」と「みかん樹」ですね。
画像引用元:百度
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対聯とは、縁起の良い言葉が中央左右対称で書かれた赤色の垂れ幕のようなもの。
みかん樹とは、背の丈ほどの樹木にみかんを付けて飾られたもの。
「対聯」は春節近くになると、街の中に春節のお飾りを販売する専門店が活況を示し、色々な言葉が書かれた対聯が貼りだされ販売されます。
「みかん樹」は文字通りこぶしよりも大きいみかんが樹木に取り付けられます。
何故みかんなのか?
それは、みかんの中国語を「桔」(じー)と言い、その発音が中国語の「吉」(じー)という縁起の良い言葉に似ているからです。「吉祥如意」という縁起の良い言葉もあります。要は、「良いことの多い一年でありますように」、という願いが込められているんですね。
まとめ
今回は、日本と中国の違い第2弾、お仕事編を書いてみました。
長い文章でしたが、ここまで読んで頂いて大変有難う御座いました!
次回も違う観点から面白い違いを見つけて書いてみたいと思います。
それではまた!
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